雲のように風のように……TVアニメ『雲のように風のように』主題歌:佐野量子
1990年にTVスペシャルアニメとして日本テレビ系列で放送された『雲のように風のように』と、主題歌の『雲のように風のように』のご紹介。
この作品は、1989年の第一回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作である『後宮小説(酒見賢一 著)』のアニメ化作品です。
多くのスタジオジブリの作品にも関わっているアニメーターの近藤勝也氏が作画監督を務めており、どこかスタジオジブリ作品を思わせる雰囲気の画になっています。
舞台は古代中国を思わせる架空の国、素乾国。
その素乾国で皇帝が崩御し、新たに擁立される皇帝を巡って宮廷での陰謀が張り巡らされていました。
そんな折、新皇帝の後宮(花嫁)を用意しようと宮女狩りを行うことが決まり、宦官たちが各地に飛びます。
妙齢の女性たちを集めて連れ帰り、花嫁候補として教育した後に、正式な花嫁を決めようというものでした。
その中に、陶器職人の一人娘・銀河もおりました。
銀河は、「三食昼寝つき」という待遇にひかれ、宦官の真野に見込まれて、王都へと向かっていました。
後宮での出会いや学びを経て、新皇帝のきさきとなった銀河。
新皇帝のコリューンは、命を狙われて後宮に匿われており、銀河も知らぬ相手ではありませんでした。
新皇帝を巡り宮廷が不穏な空気に包まれる中、2人の悪漢が暇つぶしで始めた反乱は、王都へと迫っていました。
反乱軍を食い止めることができない新皇帝を見限り、宮廷から人が離れていく中、銀河は、後宮の女たちを集め、反乱軍を迎え撃ちます。
2時間に内容を削り、年齢層も少年・少女を対象にした作品で性的な文言もかなり削られており、アニメと原作では受ける印象は大きく変わるかもしれません。
ただ、戦いの帰結、そして銀河とコリューンの運命に、当時、思わずうっと詰まってしまう感覚を覚えたよう記憶がありますので、決して薄い作品ではなかったように思っています。
アニメも隠れた名作という感じですが、佐野量子さんが歌う主題歌『雲のように風のように』も隠れた名曲と思っています。
哀愁漂う歌詞と曲調に佐野量子さんの歌声がうまく合わさり、アニメのラストを思いながら聞くと、切なく感じます。
雲のように風のように(CD)
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