Dive in the Sky……TVアニメ『プラネテス』オープニング:酒井ミキオ
2003年10から2004年4月にかけてNHK BS2で放送された『プラネテス』と、オープニングで使われた酒井ミキオが歌う『Dive in the Sky』のご紹介です。
TVアニメは2005年度星雲賞メディア部門を受賞しました。
原作漫画も2002年度のコミック部門を受賞しており、原作・アニメでのW受賞ということになります。
2070年代――。
宇宙開発がますます盛んになっていた時代。
資源開発がすすめられ、人類は火星にまで進出。
さらには木星への有人探査の計画まで出ていました。
しかし、そうやって得られた富は先進国のみが独占し、地球での貧富の差はさらに広がっていました。
そのため、宇宙を舞台にしたテロも発生していました。
プラネテスは英語のplanet(惑星)の語源となった古代ギリシア語で「惑う人」の意味なのだとか。
主人公の星野八郎太(通称ハチマキ)はスペースデブリ(宇宙ゴミ)の回収を行う業者のサラリーマン。
いつかは自分の宇宙船を持つのが夢ですが、夢と現実のはざまで悩んでおり、宇宙のゴミ拾いは大事な仕事だと認めつつも、惰性で仕事をこなす日々でした。
ある時、新人の田名部 愛が配属されてきます。
愛の現実を知らないが故の無邪気とも無神経ともいえる言動にハチマキはイラつき、冷徹な現実を否応なく突き付けてくるハチマキに愛は不満を覚えますが、同じ任務をこなすうちに互いに惹かれるようになっていきます。
時に宇宙の広大さに押しつぶされそうになりながら。
時に、宇宙で頼れるのは自分だけという錯覚に陥りながら。
自分自身と向き合いながら、一つの結論を出していきます。
スペースデブリの問題が一般に認知されるようになったのは1990年代の後半だったように思います。
人工衛星などから剥がれ落ちた金属片やロケットの切り離しなどで生じた物、宇宙飛行士の船外活動中に落とした工具や部品などが地球を周回し、微細な破片であってもぶつかれば深刻な被害をもたらします。
国際的な対策が取られていますが、今なお増加傾向にあるとされ、原作が公開された当時のタイムリーな話題であったと同時に、現在進行形の問題でもあります。
そして、ただ宇宙への憧れだけを描いたのではなく、別の角度から切り取った深い作品であったと感じます。
『Dive in the Sky』は、広大な宇宙を舞台にした、壮大なテーマの作品のオープニング曲に相応しい一曲です。
宇宙へと乗り出していく、人間のあくなき開拓者精神を上手く歌詞にしています。
自分もまた宇宙の一部なのだと再認識させられ、壮大な宇宙を舞台にしたアニメの主題歌として相応しい楽曲です。
CDはエンディングで使われた『Wonderful Life』が同時収録されたマキシングルです。
エンディングは、真っすぐな人生賛美の曲。
ハチマキは、最後に重要なのは繋がりなのだと気付きます。
宇宙は全て繋がっていて、それを繋げているものこそが……。
オープニング、エンディングともとてもいい曲ですが、どちらかと言わず、ワンセットで聞いてほしい2曲です。
Dive in the sky(CD)
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