リテラチュア……TVアニメ『魔女の旅々』オープニング:上田麗奈
2020年10月から12月にかけて放送された『魔女の旅々』と、オープニングの『リテラチュラ』のご紹介です。
原作は白石定規が自費出版小説としてAmazon Kindleで公開し、のちに大幅加筆しGAノベルから刊行された同名小説です。
主人公の名はイレイナ。
幼い頃に「ニケの冒険譚」を読んで、同じように魔女となって世界を旅して回ることを夢見るようになりました。
彼女は夢のためなら努力を惜しまず、天性の才能にも恵まれ、優れた師とも巡り合い、若くして魔法使いの最高位である魔女となったのです。
そうして幼い頃に夢に描いたとおり、足の向くまま気の向くまま、箒に乗って広大な世界を旅して回ります。
よくわからない変わった人や心に深い傷を負った人、真剣であるが故に暴走した人、善き人に悪しき人――。
旅の途中でイレイナが立ち寄る国と、彼女が出会う様々な人たちと、巻き起こされる様々な事件。
イレイナが旅の中で繰り返す、国や人との出会いと別れの物語です。
基本的に一話完結の物語。
巻き込まれる事件もしょうもない出来事のこともあれば、やるせない真実にたどり着いてしまう物語もあります。
一話一話、うまくまとまっており、イレイナの見栄っ張りで自信家で守銭奴で探求心旺盛で、その割に物事に対してドライで、かといって傍観者に徹しきれない人情味あるキャラクターもうまく描けていたと思います。
ほのぼのした話と、ものすごく後味の悪い話の落差が大きく、その間に師匠の話が入ったり、最終話ではイレイナの声を演じた本渡楓が20人近い「イレイナ」を演じるといった、バラエティ豊かな物語群になっています。
視聴者を飽きさせないようアイディアをいっぱいに詰め込んだアニメと感じる一方、一本のアニメとしてみたときに、少しまとまりに欠けると感じたアニメでもありました。
『魔女の旅々』のオープニング曲が、声優・上田麗奈の2ndシングル『リテラチュア』でした。
タイトルのリテラチュラ(literature)は英語で文学・文芸を意味する言葉で、「出会いと別れの文学」で成長していく主人公をテーマにした曲になっています。
軽やかな曲ですが浮足立っているわけではなく、明るい曲ですが決してかしましいわけではなく、旅と出会いへの期待と不安をうまく描いた、イレイナのキャラクターイメージをうまく歌った曲と感じます。
正直な感想は上田麗奈の透明感のある歌声の良さと、歌唱に少し不安定さを感じたのですが、そのことが若く自分というものが完成していない主人公の心情をうまく表現していると感じます。
リテラチュア(AmazonMP3)
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