FC2ブログ

決戦前夜……劇場アニメ『ぼくらの7日間戦争』主題歌:Sano ibuki



2019年12月に劇場公開された『ぼくらの7日間戦争』と、主題歌の『決戦前夜』のご紹介です。
1985年4月に刊行された宗田理の『ぼくらの』シリーズの第1作『ぼくらの七日間戦争』を原作に、新たなスト―リーが描かれています。

1988年8月に劇場公開された宮沢りえ主演の実写映画『ぼくらの七日間戦争』の30年後、2020年の北海道を舞台に物語が展開していきます。
ストーリーに直接のかかわりはありませんが、宮沢りえが30年前に演じたヒロイン・中山ひとみ役で声をあてており、最後は何だか全部持っていかれたような気がします。

舞台となるのは北海道のとある旧炭鉱町。
主人公の鈴原守は、戦史が好きな高校2年生。
趣味が趣味なので周りからはあまり理解してもらえず、少々浮いた存在になっています。
夏休みを控えたある日、幼馴染みで同級生で秘かに好意を寄せている千代野綾が転校することを知ります。
地方議員の職にある綾の父は、東京で活動している先輩の後釜に座るために、東京に移ろうとしていました。
綾は「一週間後の誕生日はせめてこの町で」と思っていましたが、父親の命には逆らえず、そんな綾に守は「一緒に逃げよう」と持ち掛けます。
綾は、「一週間後の誕生日を迎えるまで」家出をすることに決め、守のほかに綾の親友の山咲香織や、クラスの人気者の緒形壮馬らが加わり、総勢6人で、廃坑でのキャンプ生活が始まります。
ところがそこには先に潜んでいた子供がおり、その子供を追って大人たちがやってきます。
その子はタイ人のマレットといい、大人たちは不法入国者を追跡する入国管理局の職員でした。
マレットの扱いを巡り6人の意見は分かれますが、最終的にマレットを守ることを決めます。
廃坑にやってきた入国管理局の職員を、炭鉱の施設を使い撃退した守たち。
守はSNSを使って広く廃校で起こっている出来事を広め、世間の支持を得ようと試み、マスコミも取材を始めますが、綾を探していた綾の父も廃坑の立てこもりを知ります。
秘書の本多が得た情報から、廃坑への侵入経路を見つけた綾の父は、下請け会社を使って潜入させます。
それは、香織の父親が経営している会社でした。
香織の父親が持ち帰った情報から廃坑に立てこもっている6人の顔が分かり、本多の策で、守たちの情報がネットを通じて拡散されていきました。
その結果、それぞれが抱えていた秘密がネットを通じて赤裸々に公表されることになり、6人の間の不和が一気に加速していきます。
入国管理局の職員が再びマレットを捕まえにくる中、守たちは心の中に溜めていた秘密を吐き出し、再び結束を取り戻し、最後の作戦を実行します。

新しい「ぼくらの七日間戦争」を描くべく漢数字の“七日間”をアラビア数字の“7日間”に変えて現代風にアレンジして――全く別物に生まれ変わって制作された「ぼくらの7日間戦争」。
テンポは良く、見やすい映画だったと思います。
もっとも内容には全く共感できなかったですが。
理不尽な大人へのというささやかな反抗……どころか、不法入国も公務執行妨害も、れっきとした犯罪。
やっていることも若さゆえの特権で片付けるには結構えげつなく、下手すれば死人が出かねない――というか、一人二人殺しておいた方が、テーマ的にははっきりしたような気がします。
父と娘の確執とそこからの救済だけに焦点を絞っておけば良かっただろうにと個人的には思うのですが、社会派を気取りたかったのか不法入国や、ネットの持つメリットと怖さとか、いじめとか、LGBTとか、社会の抱える問題をぶち込んでいますが、全部取ってつけたような感じで、最後は全部放り出された感が強く、期待していただけにかなり残念に感じた映画でした。
彼らの行動に理解も共感も出来ず、劇中に出てくる「やったことの責任は取ってもらう」という言葉が一番共感できたのは、自分がスレた大人になってしまったからだと思いたい。



『ぼくらの7日間戦争』の主題歌が、Sano ibukiの『決戦前夜』でした。
Sano ibukiは『ぼくらの7日間戦争』の主題歌として、『決戦前夜』の他、『スピリット』『おまじない』の3曲を提供しています。
『決戦前夜』は、予告編で使われていて耳する機会が多かったこともあって印象に残っている曲です。
疾走感あふれる曲調に、大人へとなっていく不安定な若い時代のもがきを感じられる歌詞に、新しい『ぼくらの七日間戦争』への期待を大いに高めてくれた良曲でした。


決戦前夜 - Sano ibuki(iTunes)



決戦前夜(Amazon MP3)
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

スポンサーリンク
検索フォーム
アクセスカウンター
プロフィール

SHIN

Author:SHIN
鳥取県東部の田舎町在住の40歳。

この年齢になったせいか中高生の頃に聞いていたような古いアニメソングばかり聞いているような気がします。
若かりし頃、こんな曲もあったな――と古い記憶を呼び起こしながら書いております。
拙いブログですが、お付き合いいただければ幸いです。

最新記事
スポンサーリンク
カテゴリ
最新コメント
姉妹サイト
リンク


RSSリンクの表示
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
音楽
505位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
邦楽
58位
アクセスランキングを見る>>
スポンサーリンク


Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR