True Love……劇場アニメ『風の名はアムネジア』主題歌:AKEMI&都志見隆
1990年12月に劇場公開された『風の名はアムネジア』と、主題歌の『True Love』のご紹介です。
原作は1983年に刊行された菊地秀行のSF小説です。
物語の舞台は199X年のアメリカ。
2年前に突如吹いた謎の“風”によって、あらゆる人々は、言葉を含めて生まれてからの全ての記憶を失いました。
航空機や車を操縦していた人たちが突然記憶を失ったために世界中で事故が多発し、文化も文明も一瞬で失われます。
荒廃した世界で、野獣のように成り果た人々は、原始人のように暴力が支配する生活を送っていました。
そんな世界をジープで旅する少年・ワタル。
ワタルは、そんな世界にありながら人間の知識と理性を持ち合わせていました。
サンフランシスコで、ガーディアンと呼ばれる自律型のロボットに襲われたワタルは、ソフィアという謎の美女の助言に従い、ガーディアンを撃退します。
自分よりも沢山の知識を持っているソフィアに驚きながら、ワタルは風の吹いた後のことを話し始めます。
ワタルもまた、多くの人たち同様記憶を失い、野獣のように生きていましたが、幼い子供から食べ物を奪った自分の姿を鏡で見たことで、その醜悪さに気づきます。
その後、政府の生態研究所で、大男と車椅子の少年との戦いに遭遇し、少年に加勢します。
少年の名はジョニー。
脳を手術されたことで、風の影響を受けずに昔の記憶を残していました。
さらに、ワタルに研究所の設備を使って記憶の回復を促し、生きていくための様々な知識や、ワタルという名前を与えました。
ジョニーの死後、ワタルは彼の遺言に従い、世界中を見て回っていました。
ソフィアは、風のことをアムネジアの風と呼び、その理由も知っているようでした。
ソフィアはワタルとともに旅することを希望し、ニューヨークに着くまでに仲間を作れるかどうかという賭けを提案します。
ロサンゼルスで、「砕き飲み干す者」を使い人々の頂点に立つ司祭と、その花嫁にされそうになっている若い女性のスーと、かつて保安官だったリトル・ジョンとの出会いと別れ。
コンピュータに支配されたエターナルタウンで、コンピュータによって自分を失わされいくつもの役割を背負って生きるリサとシンプソンとの出会いと別れ。
ワタルとソフィアの前に立ちはだかる、カーディアンとの戦闘――。
ニューヨークへとたどり着いたワタルは、ソフィアからアムネジアの風の真相を告げられ、最後の審判の時が迫っていることを告げられます。
アムネジアの風を吹かせた者たちを背に、ワタルはソフィアと別れ、再び旅立つところで物語は終わります。
世界を旅する若者と謎の美女との旅というと、『銀河鉄道999』を彷彿とさせるものがありますが、全体的に何か足りない感があったアニメでした。
個人的にアムネジアの風を吹かせた者たちを打ち倒して全てを取り戻す、みたいな展開を期待したせいかもしれませんし、ロードムービーというスタイルだと80分ほどの時間ではやや短かったように思います。
そして、一人、歩き出すワタルの姿をとらえたラストを見ていて感じるのは、切なさより虚しさだったように感じます。
『風の名はアムネジア』の主題歌が、シンガーソングライターのAKEMIと作曲家の都志見隆による『True Love』でした。
とても奇麗な良質なバラードです。
物語の余韻に浸りながら歌詞を聞くと、一人去っていくワタルに、再び風が吹くことを、未来を切り開かんことを、と感じる曲でした。
<ANIMEX Special Selection>(7)風の名はアムネジア オリジナルサウンドトラック(CD)
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