Rain……劇場アニメ『言の葉の庭』エンディング:秦基博
2013年5月に劇場公開された『言の葉の庭』と、エンディングの『Rain』のご紹介です。
新海誠監督の5作目の劇場アニメでした。
前作『星を追う子ども』から2年。
新海誠監督が初めて手がけたラブストーリーと銘打たれた、雨の季節に出会った15歳の少年と27歳の女性の交流を描いたドラマです。
当初は、配信やDVDでの映像作品の予定で劇場公開のない小規模な短編作品の予定でしたが、最終的には劇場公開がされました。
主人公の高校生の秋月孝雄(タカオ)は、難のある家庭環境で育ち、年齢不相応に大人びて達観した性格ながら、未来の靴職人を目指していました。
タカオは雨の日の1限は授業をサボって、庭園でノートを開いて靴のデザインを考えるのが常でした。
ある雨の日、庭園を訪れたタカオは、そこで昼間からビールを飲んでチョコレートを食べている女性・ユキノ(雪野百香里)と出会います。
どこかで会ったような気がしたタカオは尋ねますが、ユキノは否定し、万葉集の短歌の一首を口にして去っていきます。
これをきっかけに雨の日の午前のみの交流が始まり、「歩き方を忘れた」というユキノのために、タカオは靴を作り始めます。
やがて雨の季節が終わり、2人は会う機会がなくなります。
しかし、学校でユキノを見かけたタカオは、ユキノが古文の教師で生徒の執拗な嫌がらせによって退職に追い込まれたことを知ることになります。
50分弱の短編で、あっさりしたストーリーがあっさりと展開しています。
前作やのちの大ヒット作の『君の名は』のようなファンタジー要素や世界観はなく、ラブストーリーとしても15歳の男と27歳の女とでは恋模様の発展も薄くプラトニックに展開される恋愛模様はやや薄味といえば薄味かも。
「雨」が大きなウエイトを占める作品で、雨の中や雨後の晴れ間に感じる空気感や生き生きとした緑の香りなども感じられる美しい映像に引き込まれます。
繊細な映像と音楽に彩られた良質な映像文学といった趣に感じます。
『言の葉の庭』のエンディング曲が、秦基博の歌う『Rain』でした。
綺麗なメロディだけれどどこか懐かしく感じる曲調の曲だと思っていたら、1988年に大江千里が発表したオリジナルアルバムに収録されていた曲のカバーでした。
ラストのユキノのマンションの踊り場でお互いが感情をぶつけ合う場面で、絶妙なタイミングで流れ、感涙を誘います。
Rain - 秦 基博(iTunes)
Rain(AmazonMP3)
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