サバンナを越えて……TVアニメ『ジャングル大帝』オープニング:水木一郎
1989年10月から1990年10月まで放送されていた『ジャングル大帝』と、オープニングの『サバンナを超えて』のご紹介です。
手塚治虫が1950年から54年にかけて『漫画少年』に連載していた漫画が原作です。
1989年2月に60歳で没した手塚治虫にとって『ジャングル大帝』は、本格的な少年誌・連載デビューを飾った作品であり、1989年の同作のアニメ化が最後の仕事の一つとなりました。
アフリカの大自然の王者であったライオンのパンジャ。
しかし、そんな彼も密漁者のハムエッグの手によって命を落とします。
パンジャの妻・エライザは生け捕りにされて船で移送されることになります。
エライザのお腹の中には、パンジャの血を引く白いライオンのレオが宿っていました。
レオは艱難辛苦を乗り越え、パンジャとエライザが暮らしていたパンジャの森へと辿り着きます。
パンジャの森は、争いを禁じられている、動物たちが平和に暮らす森であり、パンジャの息子として認められたレオはリーダーとなります。
森の平和を脅かす肉食動物や人間たち、大自然の驚異に晒されながら、「争いなく平和に生きてていくことはできないのか」「そもそも、森を守るために戦うのは掟に反していないのか」と悩み、葛藤しながら成長していきます。リーダーとして成長していきます。
原作では人の言葉を話すライオンであり、人間と自然の世界をつなぐ役割を果たすレオですが、1989年版では人の言葉を話さないキャラクターとなっており、ほぼオリジナルストーリーで物語は展開していきます。
最初に見た時は小学生だったこともあり深いテーマの作品のように感じました。
ただ、今にして思うと、レオは生きるために他の生命を奪う捕食者側の存在であり、争うことの否定は己の存在そのものの否定のように感じます。
そもそも、人間の抱える不変のテーマを自然界を舞台にした作品にそのまま持ち込むことは、果たして正しいのだろうかと考えてしまいます。
『ジャングル大帝』のオープニング曲が、水木一郎の歌う『サバンナを越えて』でした。
ジャングルに生きるレオの生き様を勇壮に歌い上げた、格好いい曲です。
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