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ひこうき雲……劇場アニメ『風立ちぬ』主題歌:荒井由実



2013年7月に劇場公開された『風立ちぬ』と、主題歌の『ひこうき雲』のご紹介です。
『モデルグラフィックス』に掲載されていた宮崎駿の漫画を原作に、宮崎駿監督によるスタジオジブリ制作の長編アニメーションです。

零式艦上戦闘機の設計者として知られる堀越二郎(1903年~1982年)をモデルとして完全に創作で、航空機に夢と人生を乗せた一人の男を描いています。
1938年に発表された堀辰雄の中編小説『風立ちぬ』からの着想を得ているということで、ポスターや映画で両名に対する敬意が記されました。

飛行機に憧れていた二郎少年は、夢の中で飛行機の設計者のカブローニ伯爵と出会い、激励されます。
その夢をきっかけに設計者の夢を抱いた少年は、やがて青年となり、大学で航空機の設計を学ぶようになります。
そんな折、関東大震災で被災し、偶然居合わせた少女と彼女の連れ添いの女性を助けます。
やがて大学を卒業し、念願だった航空機の設計に携わることが出来る会社に就職しますが、海軍の戦闘機開発のチーフを任されたプロジェクトは、飛行機の空中分解による大破という散々な結果に終わります。
意気消沈する二郎は、休暇を取り避暑地に行き、そこで震災の時に救った少女、菜穂子と再会しました。
美しく成長していた菜穂子と親交を深め、結婚を意識するようになった二郎でしたが、菜穂子は結核に侵されていました。
結核が治ったら結婚しようと約束し、東京に戻った二郎は今まで以上に仕事に打ち込むようになります。
逆に菜穂子の病状は悪化し、山奥のサナトリウムに入院することになりましたが、そこを抜け出し二郎に会いに来てしまいます。
二郎は菜穂子の看病をすること望みますが、夢である飛行機の開発を捨てることも出来ず、そのまま結婚して共に生きることを決意します。
上司の黒川の仲人で2人はささやかな結婚式を挙げ、黒川の自宅の離れで結婚生活を始めます。
菜穂子の状態は刻々と悪化していましたが、二郎の仕事が厳しさを増していく中、精神的な支柱となって二郎の仕事を支えます。
そして、飛行機が完成し、試験飛行を行う日の朝、置手紙を残して菜穂子は去っていきます。

ゼロ戦の開発者を主人公にした話ではありましたが、兵器を開発し多くの犠牲者を出したことを糾弾する内容でもないし、逆に賛美するような内容にもなっていません。
夢に真っすぐに生きた一人の男と、愛に真っすぐに生きた一人の女の物語に、「生きる」ということの意味を考えさせられます。



『風立ちぬ』の主題歌が、荒井由実の歌う『ひこうき雲』でした。
結婚して松任谷由実名義で活動を行う前のユーミンが1973年に発表した楽曲で、元は雪村いづみのために書き下ろされた楽曲でしたが、結局、荒井由実本人の歌唱で世に出ることになりました。
『ひこうき雲』が収録されたアルバム『ひこうき雲』は荒井由実のファーストアルバムで、彼女の名を世に知らしめる出世作となりました。
若くして夭逝した友人を悼み、その死に受けた衝撃を基にして歌詞を書き上げたそうです。
命をテーマした曲であながら、重苦しくもなく軽快なメロディーが印象に残ります。
死を悼みつつ、どこかその死に憧れているようにも思える歌詞も興味深い曲です。


ひこうき雲 - 荒井由実(iTunes)


ひこうき雲(AmazonMP3)


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プロフィール

SHIN

Author:SHIN
鳥取県東部の田舎町在住の40歳。

この年齢になったせいか中高生の頃に聞いていたような古いアニメソングばかり聞いているような気がします。
若かりし頃、こんな曲もあったな――と古い記憶を呼び起こしながら書いております。
拙いブログですが、お付き合いいただければ幸いです。

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