愛はいつも……劇場アニメ『うしろの正面だあれ』主題歌:白鳥英美子
1991年3月に劇場公開された『うしろの正面だあれ』と、主題歌の『愛はいつも』のご紹介です。
原作は、海老名香葉子の太平洋戦争中の経験を小説化した児童文学。
昭和15年、東京下町に暮らす釣り竿店の娘かよ子。
8歳の彼女は、両親と3人の兄、さらに翌年には弟もでき、幸せな生活を送っていました。
しかし、その12月、日本はアメリカに宣戦布告し、太平洋戦争に入っていきます。
戦争が長引くにつれ、出生する若者の姿を頻繁に見かけるようになります。
B-29爆撃機による空襲も激しくなり、昭和19年6月に沼津の叔母の所に一人縁故疎開することになりました。
昭和20年3月9日……沼津の疎開先で、箱根の山の向こう――東京の空が赤く染まっているのを見ます。
東京大空襲はかよ子の家族たちも容赦なく奪い去っていきました。
かよ子の家族で生き残ったのは兄・喜三郎のみ。
そんな絶望の中で終戦を迎えたかよ子は、焼け跡で家族や友達のことを思い出し、死んだ家族の分まで強く生きようと誓うのでした。
子供の頃に何度か見ただけでしたが、不思議と印象に残っている戦争アニメ。
戦争を語れる人が少なくなっている今ですが、戦争の記憶は忘れてはならないと感じます。
『うしろの正面だあれ』の主題歌が、白鳥英美子の歌う『愛はいつも』でした。
映画の内容と合わせて聞いていると、切なくなってくる曲です。
幅広いジャンルの曲を歌っている白鳥英美子の楽曲の中でも名曲だと思うのですが、残念ながらCD化はされておらず、幻の名曲となっています。