火の鳥……劇場アニメ『火の鳥 鳳凰編』主題歌:渡辺典子





1986年12月に公開された『火の鳥 鳳凰編』と、主題歌の『火の鳥』のご紹介です。
『火の鳥』は手塚治虫の代表作の一つで、火の鳥という架空の存在にまつわる複数編の物語です。

『鳳凰編』は、一連の火の鳥の作品群の中でも傑作の呼び声が高い作品です。

時は奈良時代。
鳳凰について調べるために旅を続けていた彫刻師の茜丸は、隻腕の野盗・我王と出会います。
我王は茜丸から着物と路銀を奪ったばかりでなく、茜丸の右腕を切りつけて去っていきます。
我王はその後、速魚という女に出会い、力ずくで犯し、共に暮らすようになります。
それからしばらく時が経ち、我王は仲間を率いて盗賊団の頭に収まっていましたが、その頃から異様な鼻のかゆみに悩まされるようになります。
日々大きくなっていく鼻に、速魚が薬を用意して塗っていましたが、盗賊の仲間が「これは毒だ」といったことで激昂し、速魚を斬り殺します。
速魚は昔「我王に命を救われた」「一緒に楽しく暮らしたかった」と言い残して消えてしまい、あとには一匹のてんとう虫が残されていました。
以前、てんとう虫を草の葉の上に置いてやったこと思い出した我王は、錯乱して逃げ出します。
その頃茜丸は、変わらず鳳凰の情報を求めて旅をしていましたが、その旅の中でブチという少女に出会い、付きまとわれるようになります。
その茜丸を都よりの使者が来て、大仏建立に手を貸すように命じます。
茜丸は断りますが、無理やり引きずっていかれ、そのドサクサでブチが殺されてしまいます。
大仏建立のプロデューサーになった茜丸は、この事業を自分の名を上げる契機にしようと考えるようになっていました。
大仏が完成に近づいた頃、天皇に献上する品をどうするかということになり、茜丸は自身の手で彫るつもりでしたが、政敵からの横槍があり、山陰を流れていた乞食僧と対決することになってしまいます。
その乞食僧こそが我王でした。

長大な原作を1時間でまとめるために大幅に端折っておりラストも変更されています。
心理の変化の描き方が少なく、我王が真理に辿り着き、茜丸が権力や政治に飲み込まれていく様があまり描かれていないのは不満でした。
しかし、アニメとしての出来が悪い作品でもなく、勧善懲悪や因果応報といった綺麗ごとではなく、非常に奥深い作品でした。
情景の美しさや火の鳥の優美さなど、アニメならではの演出が素晴らしい、今でも、十分通じるアニメだと感じます。



『火の鳥 鳳凰編』の主題歌は、渡辺典子の歌う『火の鳥』でした。
薬師丸ひろ子、原田知世と「角川三人娘」と呼ばれていた渡辺典子は、角川アニメで度々主題歌を歌っており、この曲でも伸びやかな歌声で聞かせてくれます。
初めてこの曲を聞いた時は、何で奈良時代を舞台にした曲に英語歌詞を入れなきゃならないんだろうとか、エンディングの映像の中では人工衛星(宇宙船?)が漂っていたりと、いろいろ思いながら見たエンディングでした。
しかし、原作を全部読んでから見てみると、それぞれバラバラに展開されているように感じる作品の世界がそれぞれ繋がりを持ち、宇宙のスケールから見ると人間の一生なんてあまりにちっぽけなものと感じさせられます。
それから歌詞を読み直すと、しっかりと火の鳥の世界を曲にしていたのだと気付かされます。
生命の繋がりを感じさせられる曲です。


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SHIN

Author:SHIN
鳥取県東部の田舎町在住の37歳。

この年齢になったせいか中高生の頃に聞いていたような古いアニメソングばかり聞いているような気がします。
若かりし頃、こんな曲もあったな――と古い記憶を呼び起こしながら書いております。
拙いブログですが、お付き合いいただければ幸いです。

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