時空(とき)の旅人……劇場アニメ『時空の旅人』主題歌:竹内まりや
1986年12月に公開された『時空の旅人』と、主題歌の『時空の旅人』のご紹介です。
読み方は一緒で『ときのたびびと』です。
1981年に刊行された眉村卓の『狙われたスクールバス』のアニメ化作品で、小説は劇場公開に併せて改題されました。
17歳の女子高生、早坂哲子(テコ)は、カメラマンの兄の撮影に付き合うためにロケ用のマイクロバスに乗っていました。
ところが、兄が離れた隙に少年が乗り込んできて、マイクロバスに妙な機械を取り付けます。
そのスイッチが入れられた時――テコと、居合わせた長谷川真一や山崎信夫、教師の北勉の時を超えた冒険が始まりました。
気が付くと、そこは1945年の東京大空襲の最中でした。
少年の名はアギノ・ジロ。
未来人で、自分が住んでいた時代が嫌になって逃げてきたと告げ、バスに取り付けたのは時間を逆行する装置で、しかも遡ることはできても進むことはできないのだと告げられます。
絶望の中、江戸幕末、戦国時代末期の関ケ原の合戦と時間を遡っていく中、別の未来人や侍と出会います。
さらに遡った先は、本能寺の変の5日前。
織田信長や側近の森蘭丸と出会い、親交を深めていくテコたち。
しかし、全ては未来を変えるために未来人クタジマ・トシトによって仕組まれたことであり、さらに歴史の改変を防ごうとするセドウド・ジンが関わり、歴史を巡る戦いにテコたちは否応なく巻き込まれていきます。
時を超えたラブロマンスや、歴史上の人物の出会い、歴史改変を目指す者と阻止しようとする者との戦い、など、タイムトラベルものには必要な要素がちゃんとそろっているように感じます。
ただ、91分という上映時間でいろいろ詰め込んだ感じで物語は駆け足で進んでいき、全体的にあっさりした印象を個人的には持っています。
『時空の旅人』の主題歌が、竹内まりやが歌う『時空の旅人』でした。
竹内まりやの透明感ある歌声が、物語の余韻を心地よく堪能させてくれます。
ラブソングですが、時間を超えて――輪廻の輪をくぐったさらに昔を想起させる、壮大な愛の物語を歌った名曲です。
時空(とき)の旅人 - 竹内まりや(iTunes)
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